5G対応ホームルーターとは?

「ホームルーター」は、自宅でのインターネット接続を提供する便利なWi-Fiルーターの一種です。これは、スマートフォンなどと同じようにモバイル回線を使用するため、固定回線を引く必要がなく、電源をコンセントに差し込むだけで簡単に利用できます。特に5G対応のホームルーターは、5G(第5世代移動通信システム)に対応しており、高速で大容量の通信が可能で、データ容量制限の心配が少ないため、現在注目を集めています。

5G対応ホームルーターのメリット

工事不要ですぐに利用できる

自宅でインターネットを使いたいと考えると、最初に思いつくのは通常、光回線などの固定回線を設置することです。しかし、これらの回線を敷設するには引き込み工事が必要で、そのためには日程調整が必要であり、工事が完了するまでインターネットを利用できないというデメリットがあります。

 

それに対して、ホームルーターを使えば、機器を設置し、電源プラグをコンセントに差し込むだけで、すぐにインターネットを利用できます。この「工事が不要で即座に利用可能」という点は、大きな利点です。

大容量で高速通信が可能

4Gや光回線を使った通信速度は、通常、下り速度で最大1〜2Gbps程度です。対照的に、5Gは4Kや8Kの高画質映像のストリーミングや遠隔医療など、高度な用途にも対応することを目指しており、現時点でも10Gbps以上の速度が可能で、将来的には目標としている20Gbpsに近づくことが期待されています。これにより、大容量で高速な通信が可能になり、さまざまな利点が生まれるでしょう。

同時に接続できる台数が増える

5GはIoT(Internet of Things)分野での活用が期待されており、そのために「Grant Free」という新しい方式が採用されました。この方式により、4Gに比べて同時に接続できるデバイスの数が約10倍の106デバイス/km2に増加し、データの受信までの遅延時間も約10分の1の1msまで短縮される見込みです。これは、将来的にはあらゆる家電がインターネットに接続するIoT時代に向けて、同時に接続できるデバイス数が増えるという利点を持っています。

データ容量無制限で5G回線が使い放題に

NTTドコモなどが提供する「home 5G」などの5G対応ホームルーターを使ったサービスでは、データ容量に無制限のプランが登場しています。これは、5Gの高速で大容量な通信が、工事不要で即座に利用でき、しかも使い放題という魅力的なサービスです。

 

ただし、一部のサービスでは、ネットワークが混雑している場合や、利用状況に応じて一時的に通信速度が制限されることがあるので、注意が必要です。

固定回線よりも安いことが多い

「5G」という言葉から、人々は高額な利用料金を心配するかもしれませんが、5G対応のホームルーターの月額利用料金は通常、固定回線よりも比較的安いことが多いです。月額料金はインターネット接続を選ぶ際に非常に重要な要因であり、低い料金は大きな利点と言えます。

 

特に、戸建て住宅の場合、固定回線を使う際には別途工事費用がかかることがあります。検討する際には、工事費用や初期費用も確認することがおすすめです。

5Gホームルーターを使用する際の注意点

5G対応エリアが限られている

2020年3月頃から各通信会社が提供し始めた5Gサービスは、現在でも利用可能なエリアが限定的です。もし5Gサービスに興味があり、4Gルーターからの切り替えを考えている場合は、まず自宅が該当サービスのカバーエリア内にあるかどうかを確認しましょう。

 

ただし、5Gの対応エリアは徐々に広がっています。例えば、NTTドコモは2022年3月の発表で、「2024年3月までには全国の市区町村に展開し、人口カバー率90%以上を目指す」と述べており、対応エリアに関連する制約は段階的に解消されるでしょう。

制限速度がかかる可能性がある

「容量無制限」のサービスであっても、ネットワークの混雑や利用状況により、一時的に通信速度が制限されることがあります。たとえば、NTTドコモのhome 5Gプランでは、直近3日間にデータを多く使用した場合や、一度のデータ通信接続で大量のデータ通信があった場合、また一定時間内に連続でデータ通信を行った場合に、通信速度が制限される可能性があります。

 

ただし、一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)が公開した「帯域制御の運用基準に関するガイドライン」には、一時的な混雑時にはデータやアプリケーションの種類に関わらず速度制限を実施すると規定されています。通信速度の制限はこのガイドラインに従って行われるため、基本的には「例外的な対策」と考えておけば良いでしょう。

固定回線に比べて通信が不安定

自宅のインターネット接続方法には、有線で基地局に接続する光回線などと、5G対応ホームルーターのようにモバイル回線を使って基地局と無線で接続する方法があります。しかし、5G対応ホームルーターの場合、通信品質や速度が電波状況に左右されることがあります。

 

さらに、ルーターと利用する端末との通信も無線で行われます。通信品質を確保するためには、ルーターを遮蔽物の少ない場所に置いたり、利用する場所に近く設置したりするなどの方法があります。ただし、一般的に言って、固定回線に比べて通信は不安定になりやすいと考えておいた方が良いでしょう。

 

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